【Jeepオーナーインタビュー】宿命に抗うことなく世界へ、厳しさの中に希望を見つめる二刀流スキーヤー・武田 竜

【Jeepオーナーインタビュー】宿命に抗うことなく世界へ、厳しさの中に希望を見つめる二刀流スキーヤー・武田 竜

生まれた街の伝統。父親に託された夢。そして自身の希望。様々な思いに突き動かされた果てに、二つの競技で戦う道を選んだスキーヤーの本当の宿命とは何か?自身の愛車でもある先代グランドチェロキーと、最新のグランドチェロキー Lが対峙した野沢温泉スキー場で、滑り続ける人の覚悟をたずねた。

その穏やかさは雄大な雪山のように

「やっぱり今年の冬は積雪量が多かったですね。例年なら麓付近には雪がありませんから」

4月初旬の野沢温泉スキー場。その言葉通り、雪面をかすめて吹き降ろしてくる風には冷気が混ざっていた。しかし午前中の日差しは、昼過ぎには20度を超えるとした天気予報に疑いの余地がない強さを放っていた。そんな季節感がおぼつかないゲレンデの脇に立つ武田 竜さんも、まぶしい照り返しに目を細めていた。
住まいがある北海道からいくつかの取材を受けるため長野県の野沢温泉へ。そのタイミングで捕まえたJeepは、なかなかに酷なことをする。すでに先代となったグランドチェロキー サミットのオーナーに、新型の6人乗り『ジープ グランドチェロキー L サミットリザーブ(Jeep Grand Cherokee L Summit Reserve)』を引き合わせるとは。

「想像していたよりもデカいですね。子どもが3人いるので6人乗りは魅力的です。何しろ実物の新車を見ちゃえば、それはねぇ」

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▲『ジープ グランドチェロキー L サミットリザーブ(Jeep Grand Cherokee L Summit Reserve)』 と武田 竜さん。

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そう言いながら笑う様子からは、のんびりとした性格がうかがえた。その穏やかさは、新旧のグラチェロの彼方で連なる雄大な雪山のように感じられた。
しかしこのスキーヤーには、全日本スキー技術選手権大会、通称“技選”で現在3連覇中に至るまでの厳しい経験がある。その切実な真実は、遠くからは穏やかそうに見える雪山の、実は完全に凍り付いている氷の世界の険しさを思わせた。

父から“世界への夢”を託された幼少期
たった1本のアルペンスキーワールドカップ

1984年北海道小樽市生まれ。初スキーは4歳頃。北国では誰もが幼いうちから雪に親しむが、彼が他の子どもたちと違ったのは、アルペン選手だった父親が地元のレーシングチームのコーチで、なおかつ自身が果たせなかった“世界への夢”を息子に託したいと思っていたことだ。

「小1で父のいるチームに入ったんですが、まぁ厳しかったですよ。僕はサッカーもやっていたんですが、それも父と同じだったので、山で怒られ家でも怒られ。ただ、夢の話を聞かされて、子どもながらに感じたところはあったと思います」

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武田さんが練習を積んだ地元小樽の天狗山スキー場は、佐藤譲氏や岡部哲也氏、高校時代にスキー留学をしていた皆川賢太郎氏。さらにはRealStyleに何度もご登場いただいた佐々木明氏という、世界レベルのスキーヤーを輩出したアルペンの聖地でもあった。

「佐々木明は3歳年上で同じ北照高校の先輩ですが、高校時代にウチで下宿していたので兄弟みたいな関係です」

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いくつかの宿命に抗うことなくアルペン競技にのめり込み、中学3年生で日本代表ジュニア指定選手に。高校でもまた全日本に招聘されるが、大学生になるとスキーヤー人生に陰りが差し始める。望んだ結果がつかめない長い日々を過ごし、次に日本代表に呼ばれたのは26歳のときだった。

「とにかく一度はワールドカップに出たい。それだけを目標に頑張ってきましたが、日本代表チームでも成績が出せず、1年で去ることになりました。じゃ、27歳で“技選”に行こうと思ったのですが……」

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▲Photo by Hiroshi Suganuma

先に3連覇中と紹介した“技選”すなわち全日本スキー技術選手権大会とは、設定が異なる4つの種目で、文字通りスキー技術を競う日本固有の競技会だ。アルペンは滑走タイムで勝負がつくのに対し、“技選”は審査員による採点競技となる。武田さんは学生時代に一度出場したが、その時点では興味を持てなかったという。

「……高校の大先輩の皆川賢太郎さんに相談したら、別の競技に出るにしろ何か実績を具えてからスタートを切るべき。できる限りの支援はするからもう少しアルペンをやってみろと言ってもらえて。そこからまた3年、皆川さんについてアメリカとヨーロッパを行き来しました」

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出場資格に必要なポイントを地道に稼ぎ続けた結果、ついに扉が開かれた。2014年1月にイタリア・ボルミオで開催されたアルペンスキー・ワールドカップに出場。しかし――。

「1本だけ滑って終わりました。何としても2本目に進出できる30位以内に入ると誓ってスタートしたんです。ところが、スタート直後に無事にゴールしたいと思ってしまった。なぜそんな心境になったかはわかりません。もちろん、もう1回滑りたい気持ちはすぐに湧いてきました。でも、その後2戦ほどヨーロッパで戦っても、以前のようなモチベーションが保てなくなった。応援してくれたスポンサー、そして親にもテレビでワールドカップに出た姿を見せられたから、もう終わりにしてもいいかなと」

そうして武田さんは、30歳になる年に日本に戻った。

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