The Future of Freedom 〜本物の自由を見つけた者たちの言葉〜 〈Vol.1 MUSIC〉坂本龍一

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坂本龍一が辿り着いた、広大で自由な音楽の世界

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1941年に誕生した初代モデルの血統を直接受け継ぐ『Wrangler(ラングラー)』が、11年ぶりのフルモデルチェンジ。この歴史的なタイミングに合わせて、Jeep® の歴史を培ってきた一台と同じく、信じた道を走り続ける唯一無二の7人が、自らの“本物の自由”を語るスペシャルインタビュー企画が始動する。その第一弾は、自らの音楽を探求し続ける坂本龍一。10月25日(木)に舞浜アンフィシアターで開催された『All-New Jeep® Wrangler発表会』のスペシャル対談にも登壇した坂本が、音楽という旅の先に辿り着いた世界、そして見つけた“本物の自由”とは?

目の前のことだけを考えて生きた先に見る“本物の自由”

「昔は明日のことも考えずに、本当に目の前のことだけ考えて生きていました。“将来こういう人間になろう”ということもなかった、もちろん生き方として60歳ぐらいになったら縁側でお茶でも飲んで、ぼんやりひなたぼっこでもできるような生活がしたいな……くらいの漠然としたイメージはありましたが。自分がどういう人間になろうなんてことは考えていませんでした」

坂本は1978年にYMOの結成に参加し、日本においてテクノポップというジャンルを確立。その音楽の革新性は国内に留まらず、世界中で熱狂的なファンを生み出した。さらに、ソロでは映画音楽作家として『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞を、『ラストエンペラー』の音楽ではアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞などを受賞する。地位も名声も得た坂本だが、ただひとつ手にしていなかったものがあった──それは自由。

「若い頃は売り上げとかチャートとかを気にしたこともありますけど、気にして自分の中でポップなものを作ったところで、売り上げは変わらなかった。それはアメリカに移住した30年ぐらい前も同じでした」

坂本が“本物の自由”を手にした瞬間、それは意外にも昨年のこと。その頃の坂本は、澄み切った心で譜面と向き合っていた。そうして生まれたのが、昨年春にリリースした8年ぶりのソロアルバム『async』。

「『async』を作っているときは、“こんな変なものは誰も聴かないだろうな”と思うと同時に、“無視されてもいい”“人がどう思うかなんて全く考えないでやろう”と思っていた。人のためというよりも、自分の聴きたい音を100%に近い形で作ろう、純粋に自分のやりたいことだけをやろうと思いました」

がん発症から辿り着いた信念と、自然が発する音への憧憬

その気持ちは、自らの死と向き合ったことで生まれた。坂本は2014年6月に中咽頭がんを発症。その時の経験から坂本が辿り着いた信念。それは言葉にすると、「自分に嘘をつかない」という至極シンプルなものだった。

「例えば曲を作っていて、“まあいいか”と思う瞬間はこれまでもたくさんあった。“あと10日考えれば違う結果になるかもしれないけど時間が無い”みたいなことも。でもそれは自分に嘘をついて、ごまかすことになる。本当はもう少し考えた方がいいことを、自分でわかっているわけです。もう、そういうごまかしはやめようと。治してもらった身体で長生きしている。だからこそ、自分に嘘の無い音楽を残していかなければいけない」

40年あまり、先鋭的かつ実験的な音楽を残してきた坂本は、今もなお自らの理想とする音を求めて彷徨っている。坂本は自身の音楽の作り方を、「良い音を釣る」と表現した。

「同じピアノでも、日、人、場所によって音色が違う。僕は音色から音楽が浮かぶので、とにかく自分を触発してくれる音色を探していて、それは道端の石ころでもいい。“良い音だからと安易に音楽にしていいものか”ということも考えるのですが、でも初めて聞いたときに“良い音だ”と思ったらほぼ勝ちというか、ワクワクします」

そして今、音の探求者は意外な境地に辿り着いていた。それは、自然が発する音色への憧憬。

「今でもデジタル技術はたくさん使っています。ただし、ネタとなる元の素材はやはり本当に良くないと、いくらデジタル技術でいろいろ加工しても結果的に良くないんですよね。そして元の素材という意味では、やはり人間が人工的に作り出したデジタルの音ではなく、自然界の音、または自然物を使った音の方が良い。自然が発する音というのは、まだ人間には解明できていない深さや次元があるような気がします」

地図の無い登山──新たな道を進む鍵となるのは想像力

「山に登ると次が見えてくる。下からでは見えない。『async』を作ったら、次の山が見えた。“登りたいな”と思っちゃった山があるんですよ、ひとつ」

“此処から何処に行けるんだ?”──新たに見つけた興奮とともに、坂本はこれからも進化し続ける。

「音楽を作るというのは、地図が無い登山のようなもの。誰も行ったことの無い場所へ行くわけですから、まずどうやって登ろうか、そもそもどこにあるのか……そこから始めなきゃいけない。ひとまず『async』を作ったら次の山が見えたので、そこには行ってみようと。今はその道を探しているところです」

新たな道を進む時、鍵となるのは「人間の想像力」だと坂本は悟った。

「音楽においてもいろいろな制限はあるけれど、一番大きな制限というのは、自分の想像力かもしれない。自分がやりたいことはやったというつもりになっても、非常に狭い想像力の中でやっている限りにおいては、それは自由では無い。もっと引いて見ると、広大で自由な音楽の世界があるのだと思います」

「この数年はめちゃくちゃハッピー」と語る坂本。己の信念と探究心を内に秘めつつ、その笑顔は、心の底から純粋に音楽を楽しんでいた。NYで撮影されたスペシャルインタビュー動画は、Abema TVで配信中。そして次回以降も、さまざまなジャンルで本物の自由を見つけた者たちの言葉を、全7回にわたってお届けする。

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Text:ラスカル(NaNo.works)
Photos:横山マサト

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