できる男は植物を愛でる アーバン・ガーデニングのすすめ

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植物のスペシャリストが目指す、
自然と人間、空間の美学

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    「Real Jeep®の読者にはオーストラリア系の植物、バンクシアやサボテンのアガベがオススメ」と齊藤さん。
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    SOLSOのファーム。敷地は1500坪という広さ。この奥がオフィスになっている。
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    鎌倉の「Garden House」のサボテン。世話にあまり手がかからないから初心者にも向いている。
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    「Garden House」の外観。レストランとセレクトショップ、SOLSOが手がけたグリーンショップで構成されている。
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    「Garden House」に併設されている小林崇さんのツリーハウスの中。齊藤さんがグリーンや私物の洋書などをコーディネート。

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2012年に建てたばかりのオフィスで。自然光とグリーンにあふれた、開放的な空間。

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SOLSOのファームで育てている多肉植物。男性から人気のあるプランツだ。

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スタイリッシュなガーデニンググッズ。「Garden House」で購入可。

金のAdam et Rope Biotop のグリーンショップ「BIOTOP NURESERIES」や、ライフスタイルショップ「Today’s Special」、9月にオープンしたばかりの鎌倉の複合施設「Gareden House」──ディスプレイされているのは、見たこともないワイルドブッシュや、珍しい種類のサボテン、いろんな形の多肉植物や観葉植物、そしてインポートのスタイリッシュなガーデングッズ……。これら話題のお店の、グリーンのディレクション&スタイリングを担当したのが、今最も注目されている植物のスペシャリストであるSOLSO代表の齊藤太一さんだ。

齊藤さんが提唱するのは、“アーバン・ガーデニング”。その名の通り、都会のガーデニングだ。高校生の頃、建築の本でフランク・ロイド・ライトの落水荘を見て、自然と建築、そして人間との融合に心揺さぶられた。彼が目指すのはそんな一体感だ。

「壁面緑化や屋上緑化などもでてきて、庭が建築の一部というという考え方が固定化しつつある。庭と家の境界線がなくなりつつあるなか、庭そのもののあり方が変わってきているんです。家の構造や気候、排水などを考慮に入れた、ガーデン造りが不可欠です」と齊藤さん。

岩手県花巻市出身。宮沢賢治が「奇跡」と称した美しい自然に囲まれた小岩井で育ち、釣りやバードウィッチングが大好きな子どもだったという。「山野草をとるのが好きな叔父がいて、その影響で最初にハマったのは山野草でした」。その山野草を家に持ち帰って、自分好みに育てたりすることが楽しかった。高校生の時には園芸店でもアルバイトをはじめ、週末には駐車場の一画を借りて、自分で育てた植物などを販売するように。「寝ても覚めても植物のことを考えていましたね。自分が育てた植物がお金になるということがうれしかった。駐車場の店のお客さんに、“庭を造ってくれないかしら?”と声をかけられたことがきっかけで、高校二年生の頃に造園家デビューしたんです(笑)」。

造園に関してはまったくの素人だったのにも関わらず、最初に造ったのがなんとロックガーデン! ワイルドな庭にしたくて、石山に行って砕いた石の余りをわけてもらい、何トンもの石をダンプで運んでもらったというから驚かされる。すでにその頃から大物の資質十分だったのだろう。

高校を卒業後、盛岡で園芸関係の会社に携わり、数年後に、東京・外苑前のフラワーショップFUGAに就職。デザイン性の高い鉢を求めて世界中を飛び回ったり、企業やレストランなどのグリーンのコーディネートを担当。ファッションブランドのショップのコーディネートも数多く手がけた。昨年、満を持して独立。独自の会社SOLSOを立ち上げ、さまざまなプロジェクトに関わり、今や飛ぶ鳥を落とす勢いだ。Real Style by Jeepでも取り上げたツリーハウスビルダーの小林崇さんや、スタイリストで写真家の熊谷隆志さんなど、大御所クリエイターとのコラボレーションも話題となった。そんなにもクリエイターたちに愛される理由は何だろう?

「もともと、建築もファッションもデザインも、植物と同じぐらい好きなんです。バイト代がすべて服に消えていましたから(笑)。いろんなことに興味があるので、イメージがわきやすい。コバさん(小林崇さん)のツリーハウスだったらこうかな、とか、熊谷さんだったらこうだろう、とか。僕自身は自己表現者ということよりも、職人だという意識が強いですね。第一線で活躍している人たちから勉強をさせてもらっている感じです」。

トップクリエーターたちが思い描いたイメージ以上の、新しい植物の可能性を提示し続けているからこそ、熱いラブコールが絶えないのだろう。彼がコーディネートしたボタニカル・ガーデンは、最先端のファッションが同一線上にならんでも、それに負けない力強さがある。むしろ、「植物ってこんなにおもしろかったっけ?」と好奇心を刺激されるようなワクワク感が沸き起こるのだ。

最近、流行に敏感な人たちが次々とガーデニングを始めている理由は、そのスタイリッシュさにもある、と齊藤さんは話す。

「イギリスでは昔、スーツを着てガーデニングしていた時代もあったぐらい。ガーデニングは何から始めればいいですか?とよく聞かれますが、カタチから入っていいんじゃないかと思うんですよ。おしゃれなガーデニングの服や長靴もそうだし、スコップなどのツールとか、車も園芸仕様にカスタマイズするとかね。ラングラーをオープンにして、木の鉢植えとか運んでいたらめちゃくちゃかっこいい。庭をいじれる時間を作ること、庭いじりできるスペースがあることは豊かな証拠。かっこいい男の条件の1つにあると思うんですよね」。

アーバン・ガーデニングという新しいスタイルは、ますます広がっていくことは間違いないだろう。

SOLSO

http://solso.jp/

Garden House

http://www.gardenhouse-kamakura.jp/

齊藤太一

岩手県生まれ。高校生の頃から造園、野菜生産、山野草の採取を学ぶ。2001年に風花(FUGA)入社。2002年にFUGA PLANTSを立ち上げる。2011年に独立し、SOLSO architectural plant farmを設立。2012年9月にSOLSOの直営店「BIOTOP NURESERIES」、10月にはガーデニングアイテムなどをディレクションした「GARDEN HOUSE」がオープン。個人邸の庭、オフィスのレンタルグリーン、ショップや商業施設のグリーン・ディレクションなど、幅広い分野でグリーンに携わっている。

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