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2017.10.06

乗鞍岳新登山道 整備プロジェクトの現場

                                              

雨にも負けず! ブヨにも負けず! 最後は、みんな笑顔に!

realstyle171003_05 乗鞍岳新登山道 整備プロジェクトの現場

稜線歩きからのスタートでテンション上々。

登山道整備は乗鞍スカイラインの2,500m付近にある平湯温泉下山口というバス停からアプローチし、平湯スキー場方面へ移動しながらの作業だ。安全な登山道を作るために心をひとつにした有志たちが作業現場へと向かう。雲行きの悪い天候とは逆に、みんなの表情は晴れ晴れとしていた。だがこのシーズンはブヨであふれかえっており、ブヨも同行するはめに。

「このまとわりつくブヨが女のコなら最高なのに(笑)」と、悪環境にも笑顔の田村さんには驚かされる。
登山道はシーズンが始まったばかりということもあり、ルートの地面はフワフワで締まっていない。またマイカー規制の影響もあるのか、シーズンをとおして歩く人が少なくなったともいわれている。「自分たちで登山道を整備するということは、新たな登山道としての歴史がスタートする。いまでは当たり前のようにあるステップ(木の階段)だけど、じつは縁の下の力持ちによって作られているのを知ることも大切。その現場に立ち会えることは貴重な体験でワクワクします」

平湯温泉下山口から約1時間半の場所が、作業現場だ。途中、残雪やぬかるみもあり、決して簡単なルートではなく、整備が必要なことがわかる。6班で構成され、各々の班でハンマー、シャベル、つるはしを携帯し、そのほかにステップとなる木材をバックパックに入れるので参加者の協力は大きい。ステップの設置個所は、急登なところや登山者の踏圧の影響で浸食が進んでいるポイントを重点的に行なう。ただステップを設置するのではなく、地面の起伏なども考慮しなくてはならない。

「ステップは木材のみで釘などの金属は使いません。木材だと朽ち果てた場合でも自然に返るので環境に優しいと考えています。またステップの幅も環境省が定めている60㎝としています」

スタッフによる手順の説明を聞きながら、各々が準備に入っていく。木の根っこが地面に出ていることが多く、斜面などはとくに凹凸がひどい。まず根っこを活かした状態でステップ箇所を決める。ステップの両脇に杭をハンマーで打ち付け、しっかり固定させる。土が流れ込むことを前提にステップを渡し、土を盛れば完成だ。

realstyle171003_06 乗鞍岳新登山道 整備プロジェクトの現場

大の大人でも怯んでしまうほどの段差がところどころに。スタッフが事前に草刈りや下見をして、設置場所をチョイスしている。

realstyle171003_07 乗鞍岳新登山道 整備プロジェクトの現場

ステップになる資材を次々に背負っていく参加者。笑顔での行動が頼もしい

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