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lifestyle

視点を変えれば世界が変わる!?
奥多摩流、新・アウトドアライフのススメ[前編]

専用ロープとハーネスを使って、ぐんぐん木に登る
木立をクルーズするという新しい遊び方

Monday NOV 14, 2011 ― Tokyo

Photos : Tetsuya Yamamoto
Text : Ryoko Kuraishi
Edit:Yuka Okada

樹齢100余年のケヤキを遊び尽くす。

高さ14メートルの枝から、こんな非日常の眺めを。

枝に掛けたロープで、「ハイジのブランコ」も楽しめる。多摩川に向かって大きくスイング。

遠藤さんが主宰する「One Nature」は「奥多摩アウトドアセンター」のパートナー団体として、奥多摩でツリークルージングの魅力を伝えるべく活動している。

ツリークルージングに用いる専用ハーネスやロープ類。コツさえつかめば子どもだってスイスイ、木登りを楽しめる。

「One Nature」代表の遠藤さん。オーストラリアやニュージーランドでラフティングガイドなどの経験もあり。

多摩川の川縁に、一本のケヤキの木が立っている。高さは20メートルほど、樹齢は100年余という。遥か頭上にある枝からは白いロープが幾本か垂れ下がり、枝と枝の間にはスラックラインのロープが2本張られている。なぜロープ? まさか樹上でスラックライン?

東京に住む人間にとって、奥多摩の山々はひと際の愛着を感じさせる特別な場所だ。都心の水源林として大切に守られてきた樹林もまたしかり。そんな奥多摩にあって、木や森、水辺を主役にした新たな体験活動が続々と誕生している。例えばこのロープ。大きな枝に体全体でしがみつき、必死で脚をあげて木に登る…… 誰しもが子ども時代に体験した木登りを追体験できる、「ツリークルージング」のギアである。専用のハーネスとロープを使って木に登り、樹上の世界を楽しむという「進化した木登り」、それがツリークルージング。ただ木に登るだけではない。木や森との一体感を味わうとともに、樹上という非現実的な世界を自由に遊べる、そんな贅沢な体験なのだ。

ロープクライミングのものよりも安定感のあるハーネスを腰に装着、カラピナでロープとハーネスをしっかりとつないだら準備完了。メインのロープにはもう一本、輪にした短いロープがかけられているが、このフットループと呼ばれるロープに足を入れ、脚を下に踏み込む力で体全体を引き上げて登っていく。

これら専用ギアや木登りのテクニックはもともと、アメリカで樹木医や林業従事者が樹木を管理するために使っていたものだった。これをレクリエーションとして採用した現代の木登りが、アメリカ発祥の新しいアウトドア・アクティヴィティとして注目されているという。高さ十数メートルの枝ではハーネスを装着したままリムウォーク(枝歩き)を楽しんだり、スラックラインを利用して木々の間を移動したり。枝に渡したハンモックに揺られてお茶を楽しむ、なんて過ごし方もできるとか。樹上の世界をアクティブに、優雅に楽しむ。これがツリークルージングの醍醐味なのだ。
「ツリークルージングに適しているのは枝が丈夫な落葉広葉樹。どんな強風にも枝をしならせて耐えるケヤキなどを利用します。あとはクスノキ、クヌギ、コナラ……。多摩川沿いには川、沢などの肥沃な土地に自生するケヤキの木が多いので、ツリークルージングで遊ぶにはもってこいです」

そう話すのは、「奥多摩アウトドアサービス」が主宰するツリークルージング・プログラムでガイドを務める遠藤浩史さん。ツリーハウスビルダー養成講座で木登りのテクニックに出合い、ツリーハウス作りよりも木登りにはまってしまったとか。
「普段は何気なく見上げている木でも、木の肌にふれ、枝に座ることで特別な親近感を覚えるようになる。ほんの少し登っただけで、見慣れた風景がいつもとまるで異なった、見知らぬ景色に出合える。『木に登る』という行為が私たちの視点を変え、世界を広げて見せてくれるんです」

木登りの魅力に目覚めれば、対岸にあるあのケヤキも登りやすそうだとか、あの枝と枝にロープをかければ「クルージング」ができそうだとか、なるほど、木立を見る自分の視点が変わっていることに気がつく。

木が森となり、森が水を貯え、その水は川となって私たちの横を流れていく。一本の木と遊ぶだけで、樹上で過ごす時間が大いなる自然のサイクルに気づかせてくれる。

周りの景色を楽しみながら、樹上で過ごすひととき。ハンモックに揺られながらひと休み。

通年楽しめるツリークルージング。落葉する秋には、ナイトツリークルージングもおすすめだそう。

奥多摩アウトドアセンター
http://www.okutamaoutdoor.jp/

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