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2017.01.24

Jeep®を巡るアツイ戦い!2016年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)最終戦「ビラボン・パイプマスターズ」レポート! Part 9

ハワイ州ノースショアのパイプマスターズを制したのはタヒチアンのミシェル! カノアはあと一歩で初優勝を逃す

Jeep®がパートナーシップを結ぶ2016年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)のチャンピオンシップ・ツアー(CT)は、ジョンジョンの初優勝が決定した状況の中、最終戦のパイプラインマスターズを迎えた。このイベントは1971年に初めて開催された、プロコンテストとして最も長い歴史を誇るイベント。この時期になると巨大なうねりが海岸線に押し寄せ、レフト方向のパイプライン、ライト方向のバックドアと、両方向に極上のチューブの波を提供してくれる世界最高のアリーナでもある。

CTで唯一の日本人である五十嵐カノアにとって、パイプラインマスターズの舞台で戦うのは初めて。ラウンド1ではヒート5に登場し、2014年度の世界チャンピオンであり現在ランキング2位につけるガブリエル・メディナと、2001年のパイプラインマスターズで優勝を飾ったワイルドカードで出場のブルース・アイアンズと対戦した。しかしガブリエルの前に惜敗し、2位でラウンド2へ回ることに。そのラウンド2では、今年何度か対戦をしているハワイアンのルーキー、キアヌ・アシングを相手に堂々たる戦いを見せ、10.50のトータルスコアでラウンド3に勝ち上がった。

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▲カノアのチューブ。初のパイプラインマスターズで巧みなチューブライディング・テクニックを見せたカノア。次々と強敵を退ける快進撃は見事だった

ラウンド3は今年のカノアにとっては鬼門。初戦以外はすべてこのラウンド3で敗退しており、ここを勝ち抜けるかどうかがポイントとなる。そんな中、オーストラリアのジュリアン・ウィルソンを相手にロースコアながら7.50というトータルスコアで粘り強く勝ち上がる。ついに大きな壁を突き破ったのだ。続くラウンド4では11度の世界チャンピオンに輝いた帝王ケリー・スレーターと、ランキング3位につけて、今大会でさらなるランクアップを狙っている南アフリカのジョディ・スミスと対戦。かなりタフなサーファーが相手だが、そこでカノアはトータル12.00で見事に1位通過。数少ないセットの波を自分のところに引き寄せ、難しいヒートを乗り切ってクオーターファイナル進出を決定させた。

そのクオーターファイナルではラウンド5を勝ち上がってきたジョディと再び対戦。カノアは1本目のライディングでテイクオフからバックドア方向へプルインし、深くて長いバレルをメイク。チューブの中でも巧みにトリミングしてベストポジションをキープし、エンドセクションではここしかないという出口を見つけて見事に抜けてきた。その一本は複数のジャッジが10点満点をつける9.93というスコア。3本目のライディングでも8.10を叩き出し、18.03のトータルスコアでセミファイナルへ。

セミファイナルで再びケリー・スレーターと対戦したカノアは、数少ない波の中、大接戦を演じる。共にベスト2のライディングが6ポイント台と8ポイント台で、トータルスコアはわずか0.50ポイントの僅差でカノアに軍配が上がった。ファイナルこそ波運に恵まれず、タヒチアンのミシェル・ボレーズの前に敗退したが、ジョディ、ケリーという強敵を相手にそれぞれ2回も勝ち上がった末に手にした準優勝は、ルーキーという事実を差し置いても賞賛されるべき健闘ぶりだった。

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▲ミシェル・ボレーズのライディング。パワーサーフィンとバレルの波への対応力で優勝を飾ったのは、タヒチアンのミシェル・ボレーズ

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▲ミシェルのガッツポーズ。ラウンド1からファイナルまで、すべて1位で勝ち上がったミシェル。まさに完全優勝と呼ぶにふさわしい試合運びだった

今大会での準優勝により、2016年の最終的なCTランキングは20位でフィニッシュ。下位のカテゴリーであるクオリファイングシリーズ(QS)でも5位につけて2017年のCTリクオリファイを決定させていたが、同時にCTのランキングでもリクオリファイを決めた。2年目となる2017年はCTのフォーマットにも慣れ、さらなる飛躍が期待できるだろう。

>>>2016年 WSL(Part1〜Part9)ハイライト一覧を見る!

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