Jeep®︎ UNMAP YOUR LIFE 〜山形県、月山バックカントリー&雪上車ツアー編〜 自分を解放する、こだわりの時間

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目指すは森林限界の上

滑走初日の朝、窓の外をみると見事な快晴。
宿からは、この日目指す姥ヶ岳がはっきりと確認できた。

朝風呂を上がると月山(標高1984m)と、月山スキー場の上部(写真右の山)、そして湯殿山(写真左の山、標高1670m)が見えた

朝9時、キャット(雪上車)ツアーの運営を行う清水屋旅館で、今回のガイドをお願いするガイド会社Mannzu(マンズ)の加藤康弘さんと合流。

ガイド会社Mannzu(マンズ)を主催する加藤康弘さん。

キャットツアーへの参加同意書にサインを行い、いざ出発。

まずはスキーを専用ラックに乗せてからキャットに乗り込む。

このテントの中が座席スペース。最大10名が乗車可能。

雪上車は自然環境に極力影響を与えないように設計されたルートを進む。

ガイドツアー用に改良された座席。足元からはエンジンの暖気が流れ込む設計で、テント内は意外と暖かい。

出羽山脈の山並みが延々と伸びるのが見える。

雪上車に揺られること約30〜40分。ブナの森を進み、だんだんと木がなくなってきたころに月山スキー場の駐車場にあたる姥沢小屋に到着した。
4月から営業するスキー場のリフトのケーブルが、ところどころ雪に埋もれているのが見えた。
バックカントリースキーの装備を整え、ここからは自分たちの足で標高を上げていく。

キャットを降りると、まずはビーコンという雪崩救助機材のチェックを行う。

ここからはシールという滑り止めをスキーの滑走面に装着し、登る。

こちらがシール。積雪面には毛が付いていて、後ろ向きには滑らない仕組みになっている。

先頭のガイドの加藤さんが作ってくれた足跡を、後続がたどる。

約30分ごとに小休憩を挟む。

休憩を挟んで、約1時間30分程度登った。
途中、加藤さんにこのエリアのことをいろいろと教えてもらった。

「東北は女性らしい、丸みのある山が多いね。そして、以外と万人向けなんですよ。雪の量は人を寄せ付けないほど凄い量が降るけど、そこに来てしまえば、以外とあったかい場所、やさしい場所だよね。人も、温泉も、食事も。北アルプスみたいな急勾配が魅力な斜面はあまりないね。でも、滑るのにちょうど良い斜度や地形、ウネリがたくさんある。上級者じゃなくても恐怖心の感じない地形だったり、間隔のちょうどいいブナの森だったりね。ここでは、そういうのを満喫してほしいと思います」

姥ヶ岳へ向かう途中に見えた出羽三山。2月に、こんなに遠くまで見渡せる日は珍しいという。

加藤さんは月山の麓、寒河江出身で、20歳を越えてテレマークスキーをはじめた。
以降、テレマークレース競技を経て、スキーを続ける一つの手段としてガイドをはじめた。

このエリアのキャットツアーのルートを開拓し、月山で加藤さんがキャットツアーをはじめたのが9年前。
「それからだよね。厳冬期の月山に入る日数が多くなったのは。昔も来ていたけど厳冬期は蔵王がメインだったから。
以降は、コンディション的にどちらかがダメなら別の方へ、というように、そのときの状況に合わせてベストな方を選べる選択肢になったよね。
自分としてはどっちも好きだから、遠くから来てくれるお客さんには、せめて1泊2日で来て、どっちも滑って欲しいなと思います。
2日間あれば、上部の森林限界エリアに行ったり、下のブナの森の中を滑ったりできるし、どこかのタイミングで良いときに当たる可能性は一段と高まるしね」

また、加藤さんは日本の雪山の中で、敢えて月山にしかない魅力をこう語る。
「実際に山に入ってもらったらわかると思うんだけど、ほとんど人と会わない。プライベート空間を楽しめることかな。登るのがきらいじゃなかったら楽しめますよ。いつもと違う空間を。
白馬や妙高など人気エリアは、山を眺めたら人だらけってこともあるでしょ(笑)。せっかくゲレンデじゃないバックカントリーエリアを狙っているのに。
今後もここは、混まないでしょうね。都会の人にとっては決してアクセスがいいとは言えないし、なによりガイドできる人の数が限られているから。
だから、年に一回あそこいきたいね、っていう場所になればいいなと思います。
他に雪が少ないシーズンでも、ここには絶対あるし、のんびりと滑れるいろんな地形もある、そういうのが魅力の場所ですね」

さらに、月山は時期ごとに違う魅力を持つという。
「1、2月は雪、だよね。ただし、もちろん降らない日もあるし、降り過ぎる日もあるし、最高の日もある。厳冬期はそれの繰り返し。
だから、1日ピンポイントできて、降らないハズレか、降りすぎのハズレか、に当たる確立が高いことも事実。1日で全てが揃う日はまずないから。
だから、できれば2日くらいは確保してもらえたら、ここの魅力を感じてもらえるかなと。
そして、好みの場所へ行くためには自分で歩かなきゃいけないんだけど、そのために必要な体力をサポートしてくれるのが雪上車、ってわけですね」

歩き始めて30分ほどで木がだんだんとなくなってくる。左上に見えるのが姥ヶ岳山頂。

一本目。大きく広がったオープンバーンに滑り込む加藤ガイド。写真左奥に見えるのはリフト山頂駅。

山頂付近は積もった雪が風で飛んでしまったこともあり、深さは膝くらいだったが滑りやすい締まった雪質だった。

そして、春シーズンの魅力とは。
「4月になれば、滑れる場所のスケールが圧倒的に広まりますね。リフトを使って山頂へいったり、足を伸ばして隣の湯殿山へ行ったり、いろんなツアールートが増えます。
ようやくある程度安心して、方角の違う山へもアクセスできる時期だし。
その上、4月でも良いパウダーの日もあって、それをリフトで回せるときは最高に得した気分になりますね。とにかくいろんな遊びができる時期です。

だから、春に月山スキー場がオープンした後は、バックカントリーに興味ある人にぜひ来て欲しい。ゲレンデへのアクセスも、雪の量も、リフトも、厳冬期の不便さが少しは解消されているし、敢えてここまで来る意味がある」

そんな話を聞いていると、目の前にひときわ魅力的で、滑り甲斐のありそうな斜面が見えた。湯殿山の東面だという。

山頂エリアから徐々に標高を下げつつ、ブナの森を目指す。奥に見える面が湯殿山東面の下部。

「たまにね、湯殿山の東面に連れて行って欲しいっていう注文が入るんだけどさ、そういう客はウチでは断ってるんだ。
ウチのツアーでは、あくまでその日のコンディション、お客さんの技術と経験を見て、その日のベストな場所を選びたいから」

なるほど。こだわりの場所には、こだわりの男がいるものだ。
山は常に一期一会。二度と現れないその瞬間に、その場所に居られる喜びと、自然が織りなす雪山に感謝しながら初日を終えた。

ブナの木に囲まれた沢エリアは、山頂よりも雪が深くなった。

稜線で吹きはじめた風も、ブナの深い森ではまったく気にならない。

下山途中、春以降に開通する車道に合流。

この看板の位置から、積雪量の多さを感じる。

志津温泉まで下山。

次ページ:【幻想的な雪旅籠の灯り、そしてブナ林の中を滑る2日目】

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